ホルモン補充療法(HRT)


ホルモン補充療法とその他の病気
ホルモン補充療法と認知症との関係の論文です
WomenのHealth Initiative Memory Study(WHIMS)
(ランダム化された、二重盲検プラセボ対照臨床試験)は、1996年5月から臨床研究を開始し、参加者を登録し始めました。WHI研究に登録された65歳以上4894人の女性で、まだ認知症の無い人を対象とした。参加者は、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲンを投与された群(n = 2229)と、偽薬群(n = 2303)の両群に分け、両者を比較しました。
結果: 観察4年後、ミニテストで61人の女性は認知症と診断されました。そのうち40(66%)人がエストロゲン・プロゲスチン群に属し、21(34%)人が偽薬群でした。ハザード比(HR)は、2.05でした(95%の信頼区間[CI]、1.21-3.48; 認知症の女性ではアルツハイマー病と診断された人が多くいました。は、軽度認知障害のある人は、両群に差がありませんでした。
結論:これらの調査結果(前に報告されたWHIデータに結合する)は、エストロゲン・プロゲスチンの投与群では、危険性が利益を上回るという結論でした。


ホルモン補充療法と睡眠との関係の論文です。
30-60歳女性のホルモン療法と睡眠障害との関係 Young T et al.Am J Respir Crit Care Med 2003;167:1181女性は、60-70歳になると、不眠を訴える人が、4−22%と多くなる。
対象とした集団において、ホルモン補充療法HRTを受けている割合は、50-59歳46%、60-69歳は33%、70歳以上は18%であり、治療群と非治療群で比較した。
HRT(ホルモン補充療法)を受けていると、睡眠時呼吸障害(無呼吸、低換気)が減少する(オッズは0.55 )。ところが自覚症では、HRT療法の方が、睡眠に対する満足度が低く、昼間眠く、夜は眠れないと訴える。
HRT(ホルモン補充療法)の睡眠への効果は、特に、50-59歳において顕著である(オッズ0.36)




肺がんの発症率と、肺がんによる死亡
閉経後女性に対するエストロゲンとプロゲスチンの併用ホルモン補充療法により、肺がんの発症率は変化させないが、肺がんによる死亡は増加させることが、アメリカHarbor-UCLA医療センターLos Angelesバイオメディカル研究所などから報告された。Lancet誌2009年10月
Chlebowski RT et al. Oestrogen plus progestin and lung cancer in postmenopausal women (Women's Health Initiative trial): Lancet. 2009 Oct 10; 374(9697): 1243-51.

 

 
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