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学とみ子の著書が出ます(文芸社)。タイトルは、”女性ホルモンという神話”です。つまずき模索する女性像を描きました。女性の誰もが通る地図の無い、目的探しの人生です。

女性の病気と健康で心がけたい事

このホームページは、女性自身から、自らの病気と健康について、情報発信するためのスキルアップを目的としています。インタ‐ネットには、女性の病気や更年期の情報が満載です。しかし、書いてあることは、似たような内容のものが多いとは思いませんか?

j女性ホルモンの解説は、画一的で、根拠が不十分な固定観念に、あふれています。その理由は、女性自身からの情報の発信が少ないからのような気がします。女性から、情報発信をしないと、男性医師には理解してもらません。男性医師の理解を深め、興味を持ってもらうことが大事です。なぜなら、男性医師が、女性医療の進歩の重要な担い手だからです。男性医師は、理屈屋が多いですが、その理屈にくいこまないと、女性の病気の研究は深まりません。男性医師は、女性が病気の何に悩んでいるのかは、よくわからないのです。医師が身を乗り出して聞いてくれるような情報発信をしていきましょう。

今は、どんな人でも情報を出せます。インタ^‐ネットに情報をだしている方は、一般個人から、研究者、メーカー、権威ある学会、地方行政機関、国家機関など多彩です。
匿名性を利用して、悪口を言うもの、人の不安をあおるもの、脅かして楽しむもの、専門家と称して自己主張するものなど、実に、さまざまです。
ネット広告は、法の網もなく、健康不安をあおり、お金をつかわせるために、情報を出すものがあります。たとえ、効果が無くても、メーカーに、責任を問えません。

しかし、この民主社会では、自由な情報が溢れているのは、又、健全であるのかも・・・。
従って、この時代には、情報を選び取るスキルは、自ら、磨いておかなければなりません。

インタ‐ネット記事を読む時、情報が、信頼できるか?共感できるか?を見極めるトレーニングしましょう。商品やサービスを売ることが目的なのか?、提供されている知識が新しいか?、正しか?、筋がとおっているのか?を、いつも、考えましょう。

情報に対しては、内容の論拠やエビデンスを、確かめる習慣をつけていきましょう。
「大丈夫です」と言われたら、何を根拠に大丈夫なのか?を、聞きましょう。
「気にしなくて良い」と言われたら、「気にしなくてはいけないことは?」を、聞きましょう。
求めても、相手に知識が無い時は、それ以上を期待せず、自分で調べましょう。
そして、人の健康に関しては、未解決な問題が多く、正しい知識は流動的であることも、いつも自覚しましょう。

しかし、正しい判断力を身につけるには、やはり時間と努力が必要です。簡単には、行きません。それで、逆に、信じてはいけない情報の例をあげます。
以下のような情報には、注意の目を向けましょう。

絶対に正しいとの主張が強いサイト
情報発信者自身や、その人の勧める物が、特別なものであると主張するサイト
論拠を示さないサイト 絶対に正しいから、信じなさいと言う論調のもの
文章が単純すぎたり、難解すぎたりするもの
同じ内容をくりかえすもの 知識に発展性がないもの、限定的な知識にこだわるもの
 
要は、いろいろな角度から、評価できているかを見極めましょう。

2008年のランセットにのった更年期の総説を紹介します。
Lancet. 2008 ;371(9614):760.
更年期障害は、卵巣から分泌されるエストロゲンと黄体ホルモンが減少することに起因する症状とされています。しかし、その症状には、個人差が大きく、更年期の女性の一部が、医師による治療を必要と感じます。
 
しかし、女性ホルモンの低下と関連が深い症状は、血管運動性障害(ホットフラッシュ)と、膣の乾燥位です。その他の 気分変調、睡眠障害、尿失禁、認知能力、不快な身体症状、性的機能不全、QOLの低下などの、他の一般的な徴候については、別の病気に続発して起きてくるか、他の病気に関連がありそうです。
 
ホットフラッシュの治療は、エストロゲン、ガバペンチン、パロキセチン、クロニジンである程度の改善が期待できますが、他の薬剤の効果は期待できません。これらの副作用も、考慮されなければなりません。 更年期の女性における健康懸念については、多くが未解決のままに残されています。
PMID: 18313505


更年期と言われて無視する女性もいれば、怒る女性もいます。多かれ少なかれ、傷つく人が多いと思います。女性たちは、若くないと思われることが悲しいのです。しかし、一般的に50代の女性では、まだ十分に、健康が保たれ、致命的な病気は少ないです。そして、自由な時間も増えてきます。この時期、健康と若さに自信を持ち、乗り越えるなどと思わずに、楽しく過ごしましょう。

皮肉なことに、よかれと思われて、欧米で広くおこなわれてきたホルモン補充療法から、女性ホルモンのマイナスの多様な作用が出てきてしまいました。実際の病気が起きてきて、初めて人間は、ホルモンの実態を知ることになります。 私たちの体の健康が維持されている時は、体内でおきている様々なイベントは、目にみえてきません。調節が狂った時に、病気として、形を表します。病気を通して、人間は、健康のしくみをしるのです。

多彩な女性ホルモンの役割を足がかりに、女性の健康を維持しているしくみについて、勉強して行きましょう。興味のあるところから、読んでみてください。全部を理解する必要はありません。せっかく、覚えても、理論は変わって行くのです。むしろ、なぜ、変わって行くのか?健康や病気を、サイエンスとして興味を持ってください。すると、周りの方も、あなたを頼りにすると思います。

不思議なことに、女性ホルモンの実態については、作用があまりに多彩であるため、解明されていることは少ないです。最近の注目点は、脳神経細胞にも、多くの性ホルモンの受容体があるのがわかってきたことです。従来、女性ホルモンんは、女性の心を守ると言われてきたものの、実は、女性を女性たらしめる作用をするのです。動物体として女性は、いつも用心深く、内にこもり安心を得る本能を持ちます。つまり、女性ホルモンは、女性特有の不安症状をおこしていたのです。

昨今、やたらに、女性ホルモンの低下を強調する広告が増えています。老化現象を忌み嫌い、不安をあおる広告です。
シミ、シワをなくしましょう。
美しくなくなりました
加齢臭で、不快感を与えています
口臭で、周りが迷惑しています

こうした広告に惑わされず、もっと楽になりましょう。

このホームページには、以下のような女性ホルモンに関する新しい知見を紹介しています。詳しくは、それぞれの各論にアクセスしてください。

WHIという米国の研究機関が、女性ホルモン補充療法の副作用を論文発表し、世界をあっとさせた時から、早10年です。日本では、元々ホルモン補充療法が、2%位の普及率だったため、その影響は外国ほどではありませんでした。

その後もWHIは、ホルモン補充療法による乳がん、肺がんへの影響などを、相次ぎ発表し、さらに、ホルモン補充療法で、がんの致死率が上昇することを明らかにしました。当初、直腸癌は、ホルモン補充療法で減少すると発表されましたが、2011年の調査では、否定されたようでうす。さらに、ホルモン補充療法により、がんの性質がより悪性になることが示されました。

女性ホルモンは、体内で分解をうけ、形をかえた代謝産物となり、最後は消えていきます。この代謝産物には、がんの治療薬として、将来有望視されているものあります。体の中で、細胞のがん化を止める物質が、自然に作られるようです。エストロゲンの多様な代謝産物の中には、遺伝子DNAに結合する能力を持つものがあります。DNA複製にミスが生じて、がんの発症した時、それを止める働きの物質が体内にできるのです。こうした物質を、薬として精製すると、新たな新薬開発につながるわけです。、生体は巧妙にコントロールされているわけで、驚きべきことです。

外国では、乳がんの患者さんが多いのですが、そうした女性では、乳がんの治療として、エストロゲン(女性ホルモン)の働きを抑える薬の治療をうけている人がいます。そうした乳がん女性では、他のがんの発症はどうなるのでしょうか?興味深いことに、エストロゲン作用を抑制する薬を使用していた乳がん女性では、肺がんの発症を低下させることができたのです。2011年のCancerという有名雑誌の論文です。


私自身も、正しいと信じて情報をだしていますが、後で見直し、間違いを見つけることがあります。どこのサイトでも構いませんので、何か、お気づきの時は、ぜひ、ご指摘をお願いします。 

 
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